(2018/8/25追記)オープンソースの分散型SNS「Mastodon」が流行しているので自分も便乗してみました
最近、MastodonなるSNSが流行ってるみたいですね。ポストTwitterだとか言われてます。新しい物に目がない筆者も(どうせすぐ廃れるだろ…)みたいな事を思いながらも登録してみました。乗るしか無い、このビッグウェーブに。
↑Pawoo.netインスタンスのログイン画面
そもそもMastodonって何なの?
簡単に言えばTwitterみたいなサービスです。適当に思ったことをトゥート(Twitterで言うツイート)して、広めたいと思ったトゥートをブースト(Twitterで言うリツイート)するだけの単純なSNSです。
しかし、MastodonとTwitterでは決定的な違いが有ります。
Mastodonは一企業の「サービス」ではなく、誰でも自由に運用できる「ソフトウェア」
Twitterを始めとする既存のSNSは、すべてのユーザーの書き込みを本社のサーバーが一元管理しています。そのため、本社が儲からないなどの理由で提供をやめてしまえばそこでサービス終了です。「俺が運営を引き継ぐんだ!」なんて真似は一般ユーザーには出来ません。
それに対し、Mastodonはオープンソースソフトウェアとして提供されており、環境さえ整えば誰でもインスタンス(サーバー)を建ててサービスを運用することが出来ます。そのため、Mastodonのインスタンスは世界中に幾つも存在し、ユーザーはその中からログインしたいインスタンスを自由に選ぶことが出来ます。
つまり何が言いたいかと言うと、Twitterが中央集権型であるのに対し、Mastodonは分散型であると言うことです。
ちなみにこのMastodonを生み出したのはドイツのEugen Rochko氏(24)です。そういえばリーナス・トーヴァルズ氏も学生時代にLinuxを生み出しましたしやはり天才って凄いなぁと思います。
ユーザー視点におけるマストドンの特徴
TweetDeckライクな外観
見た目はTweetDeckに似た感じです。
インスタンス間の「連合(連邦)」という概念
Mastodonには「連合(もしくは連邦)」という概念が存在します。
これは簡単に言えばインスタンス間の提携関係のようなもので、連合を組んだインスタンス同士であれば態々インスタンス毎にアカウントを作らなくても同一インスタンス内のユーザーと同様に交流することができます。
タイムラインにも「ローカルタイムライン」と「連合タイムライン」があり、ローカルタイムラインでは自分の所属するインスタンスのトゥートが流れ、連合タイムラインでは自分の所属するインスタンスと連合を組んだすべてのインスタンスのトゥートが流れます。
500字も入力できるトゥート
Twitterのツイートが140字までなのに対し、Mastodonのトゥートでは500字も入力出来ます。
Twitterでは分割するか画像化するしか無かった長文もMastodonでは気楽にトゥート出来ます。どうでもいいですけどトゥートってなんか響き良いですよね。
トゥート毎にタイムライン上に公開するか否かを設定できる
普段はタイムラインに流れても別に良いけど、このトゥートは流したくない…
そんなときも安心です。Mastodonではトゥート毎にタイムライン上に公開するか否かを設定できます。
過激な発言したいけどFF外の人に見られて炎上したら嫌だなぁって時に重宝しそうですね()
非営利だから常にユーザー目線。だからユーザーに必要な機能しか採用しない
ここ割と重要な点だと思います。
Twitterの場合は企業によって運営されていますから、広告を載せて利益を上げなければなりません。また、最近のTwitterでは経営状況の厳しさからかユーザビリティを犠牲にした収益確保目当ての仕様変更が目立ってきています。(First Viewなど)
これに対してMastodonはそもそも営利目的でもなんでもないので、「ユーザーにとって何が必要か」を念頭に置いて開発されています。そのため、ユーザーの足枷になるような機能が追加される心配がありません。
主なインスタンス
mastodon.social
mstdn.jp(通称:jp鯖)
国内最大規模のインスタンスです。
Pawoo
Pixiv社によって運用されているインスタンスです。mstdn.jpがクラウドへ移行してる隙に建てられました。
企業が運用しているので安定性はピカイチです。
公序良俗に反する投稿はやめましょうというローカルルールが有るにも関わらずロリペド不適切な画像が多数トゥートされまくったため、現在はmastodon.socialとmastodon.cloudから連合を切られ国交断絶状態です。
friends.nico
mastodon.cloud
フランスのインスタンスですが日本人ユーザーに占領されて独自の文化が築かれているそうです。
:don: (mstdn.maud.io)
この他にも多数のインスタンスが存在します。特定のジャンルに特化したインスタンス(俗に言う専門鯖)があるというのも面白いですね。基本的に大抵のインスタンスは連合を組んでいるので、どのインスタンスを選んでも基本的に人がいなくて困ることは無いでしょう。ですので、住民の傾向で選ぶもよし、快適さを求めて過疎鯖を選ぶもよし、自分の趣味に合わせて選ぶもよし、気に入ったインスタンスを選べば良いと思います。
実際に使用してみて思ったこととか(追記あり)
筆者は現在mstdn,jpとPawooにアカウントを持っています。
mstdn.jpの方は現在メインアカウントにしていますが、サーバーがやはりどうも心許ないようで頻繁に重くなります。別のインスタンス(Pawoo以外で)に移住する事も視野に入れています。(2018/8/25追記:本垢をmstdn.maud.ioに移行しました)
jp鯖が落ちた時などのための避難用に使用しているPawooの方は安定していますが海外のインスタンスから隔離されているのが致命的です。海外のインスタンスにも日本人のユーザーは一定数いるので国交断絶状態のPawooをメインで使おうとは思いません。
検索機能はまだまだ未熟です。ユーザーIDとハッシュタグの検索には対応していますがトゥート本文の検索には執筆時点では対応していません。
MastodonはTwitter Liteと同じくPWA(Progressive Web App)に対応しており、PWA対応のモバイルブラウザ(Chromeなど)からアクセスしてホーム画面上にショートカットを作成する事で、MastodonのWebサイトをあたかもアプリであるかのように利用出来ます。
Android向けにクライアントも幾つかリリースされていますが、個人的にはPWA版の方が使いやすかったです。
(2018/8/25追記)現在では数多くのAndroid向けクライアントがリリースされています。筆者はSubway Tooterを使用しています。
MastodonはポストTwitterになれるのか(追記あり)
Twitterがそろそろヤバイので、可能性は有ります。
かつては栄華を極めた(と言っても一度も黒字にはなってない)Twitterも現在は経営に暗雲が立ち込めています。Instagramの台頭で所謂リア充層を奪われてしまいユーザー数にも陰りが見えてきています。身売りしようにも一向に買い取り手が現れず、このままでは来年の今頃にはTwitterが無くなっていてもおかしくない状況と言っても過言ではないでしょう。
もしTwitterが無くなるとするならば、MastodonがポストTwitterとなる大きなチャンスと言えるでしょう。Twitter上では所謂オタク層が名前を目にする程度には話題になっているので、Twitterの終了により難民化したオタク層がMastodonに移住する事は想像に容易い事です。
インスタンスの安定性やクライアントアプリなどまだまだ課題は山積みですが、ユーザーにとって敷居は決して高くないと思うので、あとは条件さえ整えばMastodonがポストTwitterになる可能性は十分にあるでしょう。
(2018/8/25追記)
本稿を執筆した当時は「Twitterが経営危ないからMastodonに移行しよう!」みたいな流れがありましたが、ユーザーの少なさからTwitterに戻る人が多く、Twitter社もその後黒字化したため結局TwitterからMastodonの大移動が起こる事はありませんでした。
しかし、最近ではUserStream APIの廃止等によるサードパーティ製クライアントの締め出しや日を重ねるごとに改悪されていく公式クライアント、更には理不尽なアカウント凍結などでユーザーの運営に対する不満が高まり、Twitterからの移行先としてMastodonが再び脚光を浴びるようになりました。
それでもやはりTwitterからMastodonに完全に移行する人というのは全体で見ると少数派であるのが現実です。完全に移住するとなると、Twitterでそれまであった交流を捨てて新たな人間関係を構築する必要があるので、そこまでして移住しようとは思わない人が多数派なのだと思います。
筆者も最初のMastodonブームが過ぎ去って以降は結局Twitterに戻り、ブームが再燃した現在もTwitterと行き来している状態ですが、人口の観点から見てMastodonが「ポストTwitter」になるのはかなり難しいと感じています。
筆者としては、別にポストTwitterにはならなくてもいいのでTwitterとは違う新たなSNSとして発展していって欲しいと思っています。
筆者のアカウントはコチラ
メイン垢→https://mstdn.maud.io/@z_off
Mastodonはいいぞ的な文章を書きましたが、正直な所まだあまりトゥートしてないです。Twitterの方でフォローしてる方をなかなかMastodonの方で見かけないので。
ですので皆さんお試し感覚で良いので気軽にアカウント作ってみてください。人口増えれば今よりもっと賑わうと思うので。
それでは、良いMastodonライフを…
Canonicalがスマートフォンから撤退 Ubuntu Touchは事実上の終了へ…
人気LinuxディストリビューションのUbuntuを開発しているCanonical社は先日、スマートフォン向けのUbuntuへの投資を終了する事を発表しました。
Ubuntu TouchはiOSやAndroidに次ぐ第三のOSとして期待が寄せられていて、一部で根強い人気の中華メーカーのMeizuからも搭載端末が出ており第三のOSの中では比較的有望株だったのですが、このような残念な形で幕を下ろす事になってしまいました。
第三のOSと言えば日本でも搭載端末が発売されたFirefox OSもかつてはそうでした。一時期は同OSを採用したガラホが出るという話もあり僕も非常に期待していたのですが、2016年の2月に同OSの開発終了がアナウンスされ、結局Firefox OS搭載ガラホは実現されませんでした。
Ubuntu TouchもFirefox OSも勢いだけはあったのですが、残念ながら第三のOSの地位を確固たるものにする事は出来ませんでした。iOSやAndroidで既に飽和状態にあるモバイルOS業界に参入するにおいて、CanonicialもMozillaもベンダーやデベロッパーを偏重した結果エンドユーザーへの訴求が疎かになってしまったように思えます。
なお、同社は今後はIoTやクラウドに力を入れていく方針のようです。また、Ubuntu Touchの開発終了に伴って、デスクトップ版Ubuntuの標準のデスクトップ環境がUnityからGNOME Shellに変更されるそうです。
Source:Ubuntu insights
【4月1日】Lumia 960が発売されたので購入!開封&ファーストインプレッション
遂に出ました!皆さんお待ちかねのLumia 960です!Surface Phoneより早く発売されました。
近所のセブンイレブンで79,800円程で売ってたので衝動買いしてきました。
開封
箱を開くと一番に本体がお目見えするのはやっぱり興奮します。
付属品はこのようになってます。手帳型ケースが付属しているのは一種の心遣いなのでしょう。フラッグシップモデルなので傷は付けたくないですし。
ヴィンテージ感がいいですね。味があってとても素敵です。
取説は中国語です。グローバルな視点を身につけろという事なのでしょう。
付属のACアダプターは日本国内では使用不可です。きっと海外旅行を促しているのでしょう。
ファーストインプレッション
外観
樹脂製でありながらもとても美しい外観です。昨今のスマホは金属やガラスで高級感を演出している物が多いのですが、敢えてチープな樹脂で上質な質感を実現しているのはとても挑戦的でいいと思います。
実際に手に持ってみると、全体的に丸みを帯びていてとても手に馴染みます。サラサラの樹脂なので手触りも良好です。
Windows 10 Mobileの使用感
スマホにWindowsって、夢がありますよね。現実はさておき。
ロック画面はシンプルです。
ホーム画面です。タイル状のUIはWPならではですね。
ざっと使ってみた所、まあ使えなくは無いのかなという感じでした。ヌルヌル動くので下手な安物Android機よりは遥かにマシでしょう。
気になるのはアプリの貧弱さです。私はTwitterとLINEを常用しているのですが、どちらも機能的にAndroid版やiOS版と比較して圧倒的に未熟です。これはUWP自体がまだ新しいからというのも有りますが、それ以前のWP時代も同様にアプリの完成度が低かったです。まあこれはマイナーOSの宿命といったところでしょうか。
ハードウェア面について
Antutu動かしてみました。あれ…?
気になったのはタッチパネルです。指滑りが良くなく、感度も悪いです。
ハイエンドの筈なのにおかしいなぁ…
総括
まあ悪くないんじゃないかと思います。
アプリに関してはW10Mがもっと普及しないと望みは無いに等しいですね。
一時期は日本でもプチWPブームがあったような無かったような気もしますが、最近はNuANS NEOやVAIO PhoneのAndroid版が出ていることからもわかるように完全にW10Mは淘汰されていっています。やはりAndroidの牙城を崩すことは出来なかったようです。
ですのでW10Mが普及するとは思いませんし別にしてほしいと思っているわけでもありませんが、こういうマイナーOS(Windows自体はメジャーだけど)に触れるのは普段とは違う新鮮さがあって面白いので、たまに気分転換に使ってみるのは悪くないのかなぁと思います。
金銭面に余裕ががあったらSailfish OS辺りも触ってみたいです。余裕など無いので高校卒業するまでは買いません。
最後に
ア!!!!!!!!!!!!!!960じゃなくて535だった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こんなしょうもない記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。
MSは早くLumia960出してください。僕は多分買いませんが。
(ちなみに手帳型ケースが付属してたのもウソです。ご了承ください。)
またブログタイトル変えました
KDE Connect超便利!他のデスクトップ環境使ってる人は是非KDE入れて試してみるべし
どうも、ボロPCにopenSUSEを入れて充実のLinuxライフを送ってるぞふです。
今回はKDE Plasmaの「KDE Connect」という超絶便利機能について紹介しようと思ったのですが、思わぬ落とし穴(?)に嵌ったのでその件について短く書き綴っていきます。
KDE Connect?何それ?美味しいの?
KDE ConnectというのはKDE Plasmaのモバイルデバイスとの連携機能の事で、LANを経由してKDE Plasma環境のPCとスマートフォン・タブレットとの間でファイルの送受信を行ったりスマートフォンからリモートでPCを操作できたりするスグレモノです。
KDE Connectアプリを入れたAndroidスマートフォン・タブレットとペアリングするだけで簡単に使い始める事が出来ます。現時点ではiOS版アプリはリリースされていないようです。
よーし!じゃあ僕も使ってみるぞー!…あれ?
え?え?なんで?
アプリは入れてる。ちゃんと同じネットワークに繋いでる。とりあえず再起動してみたけど何も変化なし。
あー、これ、アレっすわ。ファイアウォールさんが接続を遮断しちゃってますわ。Windowsでもあったわこーゆーの。
というわけでファイアウォールの設定弄ります
YaST2だからファイアウォールの設定も簡単!
- YaST2を開いてセキュリティとユーザ>ファイアウォールを開く
- 許可するサービスの所を開いてプルダウンメニューから「KDE Connect」を選択して追加し、「次へ」をクリック
- 確認の画面が出るのでそのまま次に進めば設定完了します。これで晴れてKDE Connectデビューする準備が整いました
KDE Connect、めっちゃいい
ファイアウォールの設定でKDE Connectを許可したので、互いの画面にホスト名が表示されるようになりました。
Android側からPCのホスト名をタップすると、PC側で「スマホからの接続を承認しますか?」という趣旨のメッセージが表示されるので「Accept」をクリックするとペアリングされます。
ファイルの共有は便利
まず手始めにスマホから画像を送ってみました。アプリから「Send Files」をクリック。ファイルブラウザが開かれるので送りたいファイルをタップするとすぐにPC側に送信されます。
受信したファイルはデフォルトではダウンロードフォルダに格納されるように設定されています。(勿論、設定で変更出来ますがあまり記事を冗長にしたくないので割愛。)
ブログにスマホのスクショを貼るときなどに重宝しそうです。
メディアプレーヤーのリモートコントロールも出来る
PCから離れた状態でもスマホからメディアプレーヤーを操作出来ます。
こういう機能があると立派なスピーカーシステムが欲しくなるなぁ…。(そんな金は無い)
トラックパッドやキーボードの代わりになるという珍機能も…意外と実用性アリ?
アプリの「Remote Input」をタップすると、お使いのAndroidスマートフォンがトラックパッド兼キーボードに早変わりします。
便利そうで便利でないように思える機能ですが、 PCから少し離れた状態でリモートコントロールを使用しながらメディアを視聴している際にマウスを使いたくなったときに意外と重宝するかも!?と思いました。空中マウス代わりにも良いかも知れません。
トラックパッドの方はLAN経由なのもあって若干カクつきが気になりますが、使用感としては概ね実用に耐えうるレベルだと感じました。
キーボードの方はこんな感じ。こっちはまだ実用レベルには至ってないかな、という感じでした。GNOMEユーザーの皆さんごめんなさい。
iOS端末に対応していないのが悔やまれる
KDE Connect、非常に便利なんですけど先程触れたようにAndroidにしか対応してないんです。
僕はiOS端末持ってないので特に困ることはありませんが、iOSユーザーがこのメリットを享受出来ないというのは非常に残念です。
Acer Aspire 5741にopenSUSE Tumbleweedをインストールした話
どうも、三ヶ月ほど当ブログを放置してたぞふです。この度はめちゃくちゃ久しぶりの更新となりますが、先日AcerのAspire 5741(AS5741-N32D/K)という低スペラップトップにopenSUSE Tumbleweedをインストールしたので、その件について書いていきます。
Aspire 5741(AS5741-N32D/K)のスペック
- CPU:Core i3 330M 2.13GHz
- VGA:Intel HD Graphics
- RAM:2GB DDR3 (4GBに増設済)
- HDD:500GB
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
- 解像度:1366x768
- 無線LAN:IEEE802.11b/g/n
- OS:Windows 7 Home Premium(64bit)
なんでopenSUSE入れようと思ったわけ?
元々このパソコンは家族共用だったんですよ。でも一年半ほど前に不調で買い替えて以来ずっと起動すらしてませんでした。というか半分存在すら忘れてました。
ある日、ふと思い出して久々に起動してみたんですが、不要な謎ソフトの魑魅魍魎共がわんさかいてそれはもう地獄のようでした。コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」を開いたときの地獄絵図っぷりには目も当てられませんでした。
不要なソフトを片っ端から削除している最中に、ふと僕の耳元で悪魔が「めんどくさいしクリーンインストールしてまっさらな環境に戻せよ」と囁いたのです。すると別の悪魔がすかさず「Windowsばっかじゃ飽きるだろ?You、Linuxいれちゃいなよ」と囁きました。悪魔たちの前に為す術もなく、僕は感情の無いロボットのようにDVDを焼き始めました。そして、気がついた時には目の前のPCにopenSUSEがインストールされていたのです…ああ恐ろしや…
とまぁ、えらい誇張した表現で書いていますが、要するに単なる気まぐれです。
因みに数あるLinuxディストリビューションの中からopenSUSE Tumbleweedを選んだ理由は、YaSTが使いやすいというのとローリング・リリースなので常に最新のパッケージを利用できるというところです。
インストール中の出来事とか
インストールの手順とかは調べれば幾らでも出てくるのでその辺は割愛。
無線LANが繋がらない!←標準設定で固定IPになってました
DVDインストールだったのでインターネット接続が必須という訳では無いですが、インターネット接続しておいた方がドライバ等のDVDに収録されていないパッケージをダウンロード出来るので後から困る事は無いかなと思ったんですけど、何故か無線LANが繋がらないんですよ。
なんで繋がらないんだよコンチクショウと思って設定を確認してみたら、なんと可変IPではなく固定IPになっていました。こりゃ繋がらないのも当たり前だわと思いつつ可変IPに設定し直したところバッチリ繋がりました。
標準が固定IPって点が如何にもSUSEらしいといったところでしょうか。
標準でrootパーティションとhomeパーティションが別になってるのが親切
openSUSEのインストーラーで個人的に気に入ったのはデフォルトでrootパーティションとhomeパーティションが別々になるように設定されている所です。
rootパーティションとはOSとかアプリケーションとかのシステムファイルが格納されるパーティションで、homeパーティションとはユーザーデータが保存されるパーティションの事です。
つまり、OSをクリーンインストールしてrootパーティションが書き換わっても、ユーザーデータには何の影響も及ばないという事です。(HDDを丸ごとフォーマットすれば流石に全部吹っ飛びますが)
なんて親切なのでしょう。あれだけユーザーフレンドリーだと巷で騒がれているUbuntuも標準ではhomeパーティションが分かれる設定にはなってないので、openSUSEがいかにユーザーフレンドリーなディストリであるかが分かります。(前述の無線LANの件に関してはどこがユーザーフレンドリーやねんって感じですが)
デスクトップはKDEを選択
デスクトップ環境はインストール時にはKDE Plasma、GNOME Shell、Xfceの中から選べます。どれを選んだから良いとか悪いとかではなく単純に好きなのを選べばいいです。
- KDE Plasma Windowsっぽい感じの標準的なデスクトップ
- GNOME Shell どっちかというとタブレット向けな感じでマウス操作には不向き
- Xfce 軽いけど普通に使いやすいデスクトップ環境
僕はKDEが好きでGNOMEが嫌いあまり好きではないのでKDEにしました。KDE4の頃はエフェクトがやたら鬱陶しい印象でしたが、5になってから随分スッキリしました。
インストール後にやったこと
主要なメディアコーデックが全く入っていないのでインストール
openSUSEはオープンソースを重んじるが故にプロプライエタリなソフトウェアを同梱できないらしいので、MP3とかMPEG-4等のメディアファイルは標準では再生できません。
そのため、再生するためには別途コーデックをインストールする必要があります。
注意:この作業はなるべくインストール直後に行ってください。色々ゴニョゴニョした後にやるとYaSTに怒られて上手くインストール出来ない可能性があります。
http://opensuse-community.org/
こちらのページのMultimedia Codecs like MP3, DVD, DivX, MP4って所からワンクリックで簡単にインストール出来ます。1-Click Install最高。openSUSE万歳。
KDE環境の人はKDEの方をクリック。GNOMEの人はGNOMEをクリック。Xfceの人は知りません。同じGTKだしGNOMEの方ポチっとけば良いと思います。
インストール中に「信頼できないGnuPGキーをインポートする」というダイアログが出るので「信頼する」をクリックしましょう。
インストールが終わったら、「ソフトウェアのインストールと削除」を開いて「リポジトリ」をクリック
Packman Repositoryを選択→切り替えるって書いてあるとこをクリック→了解をクリック
すると、なんかいろいろインストールされるので暫く待つと完了します。
AACやFLACのコーデックは何故か含まれてないので後でfaad2とflacを入れました。YaSTめっちゃ使いやすい。最高。
標準の日本語IME「ibus-mozc」が不便なので「fcitx-mozc」に変更
openSUSEは日本語IMEとして「ibus-mozc」を採用していますが、これがまた非常に使いづらいんです。(使いやすいと思っている人がいたらすみません)
使いづらいのは嫌なので使いやすいfcitx-mozcに変更します。
- 「ソフトウェアのインストールと削除」からfcitx-mozcをインストール。関連するパッケージも一緒にインストールされます。
- インストールが終わったらログインし直すとIMEがibusからfcitxに変わってる
たったのこれだけで日本語入力が快適になります。ibusでは特定のアプリケーションで動作しない不具合が起こることがあります(起きた)が、fcitxではそのような不具合は無くどのアプリケーションでも快適に日本語入力が出来ます。
その他諸々必要だと思うアプリケーションを入れる
自分はこの辺を入れときました。KDE環境なのでGUIアプリケーションは不便でない範囲内でQtで揃えるように意識してます。
- Chromium 言わずと知れた人気ブラウザ「Google Chrome」のオープンソース版。
- flash-player Adobe Flash Player。HTML5の台頭でオワコン扱いされつつも未だに現役というか必要不可欠です。
- flash-player-ppapi Adobe Flash PlayerのPPAPI版。Chromiumとかの最近のブラウザはこっちを使ってるらしいです。
- Clementine Amarok 1.4からフォークしたQtベースの音楽再生ソフト。KDE標準のAmarok2が使いづらいのでこっちをメインで使ってます。
- SMPlayer Windowsでもそこそこ利用者の多い動画プレイヤー。デフォルトのアイコンテーマがKDE4時代の鬱陶しいデザインなのでsmplayer-themesを入れてアイコンテーマを変更できるようにする事を推奨。
- Krita フリーとは思えないほど高性能なKDEのペイントツール。お絵かきはしないけど何故か入れてる。
- Wine UNIX系OSでWin32アプリケーションを動かすアレです。
openSUSE最高!KDE Plasma最高!
↑壁紙の選手は中日ドラゴンズの堂上直倫。現在は背番号63。ドラフト2位の京田陽太とのレギュラー争いに期待です。
めちゃくちゃ快適です。ゴミ同然に思ってたボロPCが元気になって非常に満足です。
中学時代、情報部で部室のPCにArch Linuxを入れて遊んでた思い出がありますが、Archはインストールがとても大掛かりで、グラフィカルな設定ツールも無いのでとにかくコマンドラインばかりで面倒臭かったです。(まあ、そこがいいんですけどね)
それに比べてこのopenSUSEは直感的に扱える設定ツール「YaST」を採用しており、あまり難しいことを考えなくても使えるようになっています。
ですので、「Linuxが使ってみたい!」という人には自身を持ってお勧め出来るディストリですが、「Linuxの勉強がしたい!」という人には全くお勧め出来ません。そういう人こそArch Linuxを使ってみるといいのかも知れません。Linuxの仕組みがよくわかりますし、日本語化されてないドキュメントが多いから英語の勉強にもなりますし。
僕は今回は勉強用とかでは全然無く、普段遣いのOSとしてインストールしたので、openSUSEの使いやすさに大変満足しています。皆さんも、「あー、なんかLinux入れてぇなぁ」と思ったら、是非openSUSEを試してみては如何でしょうか。
Windows8以降でディスク使用率が100%になってしまう場合はSuperFetchを無効化しよう
えっ、ディスク使用率が100%!?
Windows 8以降を使っていて、「なんだか重いなぁ」と感じてタスクマネージャを開いて驚いたこと、ありませんか。
これは既に対処済の状態ですが、対処前はディスク使用率が100%になっていました。(スクショとっておけば良かったなぁ…)
原因はSuperFetchというサービス
どうやらこの問題、WindowsのSuperFetchというサービスが原因のようです。SuperFetchとは、普段からよく使うファイルやアプリケーションを予めメモリにキャッシュしておく事で、システムパフォーマンスの維持・向上を図る機能の事です。
「速くするための機能なんだから、無効化したら余計に遅くなるでしょ」と思われる方も多いと思います。しかし、SuperFetchは「このユーザーは何曜日の何時に〇〇をするだろうから予め準備しておこう」という趣旨の機能であるため、日頃の作業がルーチンワーク化されている人でなければ恩恵を受けることが出来ません。それどころか、「このユーザーは〇〇をする」という事を勝手に決めつけてそれにPCの限られたリソースを費やしてしまうので、日頃の作業がルーチンワーク化されてない多くのユーザーからしてみれば、むしろ有難迷惑なのではないかと思います。
SuperFetchを簡単な手順で無効化してPCの動作を快適にしよう
- タスクバーのスタートボタンを右クリックして、「コンピューターの管理」をクリック
-
「コンピューターの管理」というウインドウが開かれるので、左側の「サービスとアプリケーション」をクリック
-
「サービス」をダブルクリック
-
サービスの一覧が表示されるので、「SuperFetch」を探してダブルクリック
-
プロパティが開かれるので、停止をクリックし、「スタートアップの種類」のプルダウンメニューを開き「無効」を選択、OKをクリック
-
ディスク使用率が100%じゃなくなったら成功
簡単な手順で無効化できるので、Windows 8以降でPCの動作が重いと感じている方は是非お試しください。